社長コラム

令和5年6月2日

◇ 今回は、2年前の2月に政府で策定された『約束手形』利用廃止に向けた流れであるが、その後具体的施策は実現に向けて進んでいるのだろうか?

◆ 当初の政府策定案では、大企業に迅速な代金支払を促し、下請け企業の資金繰り改善につなげるもので、2024年を目途に60日の支払期限を徹底して、2026年迄に手形の利用廃止を目指すものであるが.....。

◇ 手形法は、昭和7年(1932年)7月15日に制定され、日本国内全ての民間(大・中・小)企業が90年以上に亘って資金決済の流通手段として利用してきたものであり、一気に「電子記録債権」や「インターネットバンキング」に移行できるか、という“壁”がある。

◆ 特に中小企業の場合、手形を廃止するという事は資金調達を大半金融機関に依存しなければ、経常(運転)資金の調達は無理であるし、回収条件と支払条件が一致することは不可能であるし、回収より支払いが先行し月の経過と共に底溜まり資金は増加の一途となる。そこに資金ショートが発生し常に取引銀行が応じていくという事は考えられず、率いては企業倒産が増加していく事を憂慮しているのである。

◇ 中小企業の現場の最前線の動向を深く観察して、一気に手形利用廃止を決めずに弾力的に当分は移行措置として、手形の利用も残しておくべきと考えるが、如何なものだろうか!?

 

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